社長コラム

【コラム】 「女王アリ」 前田 洋一

令和8年夏

 

先日、朝刊で興味深い記事を目にした。
通常、アリの社会は女王アリを中心に、働きアリや兵隊アリなど、それぞれが役割を担うことで成り立っている。昆虫の世界でも特に高度に組織化された社会といわれている。
ところが今回、その常識を覆す「女王アリだけで構成される種」が報告されたという。
この女王アリは別種のアリの巣に侵入し、女王アリを毒針で殺して巣を乗っ取る。そしてオスと交尾することなく「単為生殖」でこどもを産み、働きアリに育てさせる。やがて羽化するのは女王アリだけ。この方法によって種を維持していくのだという。
しかし、その成功率は決して高くない。侵入した多くの女王アリは反撃に遭い、命を落とすという。
なぜ、このような大胆な進化を遂げたのか。共同研究者の一人は、「自分では働きたくないという“ずるさ”が進化につながったのではないか」と推測していた。
人間だけでなく、アリの世界にも“ずるさ”があるのだと考えさせられた。
「働かずして、いかに生きるか。」
最近はそんな考え方を耳にする機会が増えたように感じる。投資による資産形成はともかく、トクリュウのような犯罪行為は論外だろう。
生き物は本能的に労働を避けようとするのか。それとも、より効率的に生きる方法を求めているだけなのか。
考えさせられる記事だった。

TOP