社長コラム

【コラム】 「山田サブ」 前田 洋一

令和8年秋号

 

30代、40代の一番元気だった頃、夜遅くまで少なくても週に二回は通ったバーがあった。店主の山田サブの人柄のおかげで、カウンターに座ったお客同士が知り合いになり、楽しく会話をする。ほとんどは他愛もない話だが、中には勉強になる話もあったり、仕事につながることも多々あった。
残念ながら、サブの死去により、店は閉店してしまった。

あれから10年。夏の終わりに、「サブ山田十周忌記念 前略おきゃく様」というイベントが、サブの奥さん、育ちゃんたちの企画で開催された。生前、バンドをしていたサブを偲び、10組以上のバンドが参加する音楽イベントだ。
200人を超える観客が集い、盛大に追善供養が行われた。
育ちゃんは3年前にバンドを始めた。きっかけは、ある女子会で「人生でやり残したもの」を話し合っているうちに、「みんなでバンドをやろう」ということになったからだという。全員、楽器はまったくの素人だったが、練習を重ねた結果、今ではカッコいい人気バンドになっている。新しいことを始めるのに、熱意さえあれば年齢など関係ない。そんなことを改めて教えてもらった。
イベントの最後に、サブが残した言葉が育ちゃんから紹介された。
「やりたいことがあったら何でもやったらええ。絶対に絶望したらいけんよ。」
その通りだな。サブらしい言葉に、涙腺崩壊。
もっともっとやりたいことをやろう!
そう元気づけられた、夏の終わりの夜だった。

 

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