令和8年春号

私の名刺の裏には、趣味として「伊勢神宮」と記しています。今年に入ってすでに四度、参拝させていただきました。どれほど日々の暮らしが慌ただしくとも、伊勢に帰ると心が静まり、自分を取り戻せる気がします。
伊勢神宮では二十年に一度、社殿をすべて新しくする「式年遷宮」が行われます。千三百年以上続くこの大祭は、宮大工をはじめとする伝統技術の継承と、神宮を常にみずみずしく若々しい姿に保つことを目的としています。
令和十五年の第六十三回式年遷宮に向け、すでに諸行事が始まっています。令和九年までは、社殿の建て替えに用いる御用材を両宮域内へ曳き入れる「御木曳行事」を中心に、御神木に関わる行事が続きます。「御木曳行事」に参加できるのは、伊勢の住民(旧神領民)と全国の崇敬者(特別神領民)のみです。民間人が御遷宮に参加し奉仕できるのは、「御木曳行事」と、遷宮の年に行われる「御白石持行事」の二つだけであり、まさに二十年に一度の貴重な機会です。
二十年前には幸いにも、両行事に夫婦で参加し、ご奉仕させていただきました。そしてこの五月に行われる御木曳行事にも、特別神領民として夫婦で参加できることになりました。二十年に一度の尊いご縁に、心から感謝し、心を込めてご奉仕してまいります。願わくは、令和三十五年の第六十四回式年遷宮にも元気で臨めるよう、これからの人生をより謙虚に、丁寧に歩んでいきたいと思います。