社長コラム

【コラム】 「忘れられない夏」 前田 洋一

令和7年秋号

史上最高に暑い夏が、ゆっくりと終わろうとしている。とりわけ関西にとっては、暑さと熱気が重なり合う、特別な夏だった。阪神甲子園球場では、我が阪神タイガースが快進撃を続け、史上最速でリーグ優勝を果たした。灼熱の中で繰り広げられた高校野球選手権では、沖縄尚学が「ハイサイおじさん」のリズムに乗り、日本一の栄冠をつかみ取った。

そして大阪では、この夏をさらに熱く彩るもう一つの出来事があった。
大阪メトロ中央線「コスモスクエア駅」を発車する際に流れる車内アナウンス。「いよいよ、夢洲です。驚きと感動に満ちた夢洲へ、さあ行きましょう!」その言葉に、自然と胸が高鳴った。

開催前はまったく興味の無かった大阪・関西万博だったが、6月初めに「パンEXPO」があると聞き、パン好きの妻と一緒に会場を訪れた。妻をイベント会場に残し、一人で場内を散策していると、理由もなく心が躍り、言葉にしがたい高揚感に包まれた。そのワクワクは一日中消えることなく、余韻のように続いた。気がつけば、万博にはすでに4回も足を運んでいる。閉幕に近づくに今も、あの雰囲気を味わいたくて、もう一度ミャクミャクに会いたくて、心は夢洲に向かっている。

宴はまもなく幕を閉じる。2025年の夏。暑く、熱く、そして忘れられない夏だった。

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