社長コラム

【コラム】 「大原美術館」 前田 洋一

令和5年6月号

大原美術館

予定の無い日曜日。ちょうど招待券を頂いていたので、3年ぶりに日本最初の西洋美術館である大原美術館に朝一番に夫婦で出かけた。
早朝から印象派やその他の素晴らしい絵画を堪能し、心は洗われる。大原美術館のシンボルと言えば、なんといってもエル・グレコの「受胎告知」だ。エル・グレコの作品は、日本には国立西洋美術館とここにしかない。この作品が倉敷にあるのは日本を代表する実業家、大原孫三郎と児島虎次郎が成した奇跡である。このような作品を日本に持ってくることは金輪際不可能であろう。
街は志を持った個人が創ることが望ましい。残念ながら、太平洋戦争の敗戦以降、財閥解体、税制の見直しなどの結果、大原家のように街づくりや文化の発展などの社会貢献に個人的にお金を使えるお金持ちが出現できなくなった。街づくりは行政の仕事となったが、現在の岡山市のお金の使い方を見ていると疑問がわいてくる。
中途半端な市民会館、路面電車駅乗り入れ、北長瀬駅周辺の整備、市庁舎の建て替え。市民の意見を聞いていますか?自分の街に対する愛情や想いが欠けているのではとも感じる。
大原孫三郎のように100年先を見越した街づくりをして欲しいものだ。
前田洋一

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