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古事記
不変の真理。
どんな時代になろうとも、絶対に変わらない事がいくつかある。
「人間は必ず死ぬ」「自分の人生は自分しか生きられない」「人生は一回きりである」「自分という人間は過去にも未来にも一人しかいない」
私たちは、すぐれた先人たちの生き方に学び、このたった一つの尊い命を輝かせなければならない。
淡路島の路線バスの中で、致知出版社から出ている「人間学入門〜仕事は人間力で決まる〜」という雑誌を読んだ。この本の前文にこの言葉が書いてあった。
左手に海が見える。バスに観光客は誰も乗っていない。地元の老人や若者が停留所に停まるたびに乗り降りをする。みんな無言。全員が、バスの一番後ろに一人横柄な態度で読書をしながら居座る観光客を煙たがっているように感じる。停留所を案内するテープの音だけがひっきりなしに聞こえてきて、読書の邪魔をする。
やがて、淡路市役所近くの港に到着する。バスの乗り換えのために立ち寄った港は、かつては関空航路があり栄えていたらしい。5年前に航路が廃止されてからはバスターミナルに姿を変えているが、窓口は閉鎖されロビーは閑散としており寂しさを感じる。港近くの大手スーパーが核になったテナントには空き店舗が目立つ。明石海峡大橋が開通以来、この島には観光客が多く訪れるようになったという。かつて水不足に悩まされた島民の生活はその面では安定したが、地元の商業は空洞化が目立っていると聞いた。この島は、便利さと引き換えに何を失ったのだろう?
バスを乗り換え伊耶那岐(イザナギ)神宮へ向かう。今年は712年の古事記編纂から1300年の記念の年。年の初めに、イザナギ・イザナミの国生み神話のこの島、そしてこの神社をどうしても訪ねてみたかった。古事記によると、天照大神の子孫である神武天皇が御即位されて以来、この国は天皇陛下がしらして(統治して)こられた。この事には疑義を唱える人もいるだろうが、私は世界で唯一の萬世一系の始まりの地に立ち、エンペラーを持つ国民である事に今まで感じた事がないほどの誇りを感じずにはいられなかった。
時代は、目まぐるしく変化している。商売とは環境に適応することだと言われている。仕事をする限り、刻々と変化し続ける環境を読みそれに対応していかなければたちまち淘汰される時代だ。変化に迅速に対応する能力を身につけなければならない。
ただし、どんな時代でも不変の真理というものがあるということ、そしてそれが一番大切なものであることを私たちは忘れてはならない。
神社からの帰りの路線バスの中、海を眺めながら考えた。今から、不変の真理を追究しに行こう。私にとっての不変の真理とは? 美味しいものを食べること。
その後、岩屋で美味しいお寿司とお酒をいただいた。えらそうな事を言ってみても、結局は欲を捨てきれない弱い人間である。でも、これが人間らしくて一番良いと思う。

平成24年2月
前田洋一

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